海水浴療法でアトピーは本当に治るのか?
海水浴をすることでアトピー性皮膚炎が改善するという話があります。
実際に海水浴を進めているサイトもあれば、ツアーもあります。
治るまで1週間の合宿なんてのもありますね。

アトピー性皮膚炎に海水浴、本当に効くのでしょうか?


アトピー性皮膚炎の理屈が


1.スキンバリアの損傷(遺伝的に、あるいは物理的に)

2.アレルゲンや刺激物の侵入

3.掻痒感からのかきむしり行動

4.皮膚のさらなる破壊と免疫状態のアレルギー方向への変化

5.皮膚の慢性の炎症でわけわからない状態が持続


そういうプロセスを経て発生するものだと考えれば、
海水浴療法は一体どこに有効なのでしょうか?

実際問題、アトピーの患者さん本人は5の段階に至るまで自分がアトピーだとはわからないものです。

ですから実際に海水浴療法を受けるのも5の段階の方たちだと思うのですが、これは正直、危険です。


まず、紫外線による刺激、そして痛んだ肌が塩水で受ける刺激、
どちらも皮膚に炎症を引き起こすことでしかありません。

活発化した免疫活動をさらに活発にする、そういう刺激を与えます。

メリットがあるとは思えない。



メリットがあるとすれば、毎日海水浴することで体力がつくことと、
かゆみは痛みに変わってコントロールしやすくなるかもしれないことです。
紫外線を避けるように早朝か夕まず目の海水浴ならいいかもしれません。

それと、シャワーを嫌でも頻繁に浴びるので、それによる保湿は効果があるかもしれませんね。


それ以外にはメリットを感じられません。



ですがもしも、1〜3の段階であれば、海水浴で新陳代謝を活発にすることで、痛んだ皮膚の再生を促すことができて、結果としてよくなるかもしれませんね。



ともかく、私は海水浴治療方法はあえては、勧めません。



posted by atopydoc at 00:20 | 日記

アトピー性皮膚炎の痒みを止める薬:抗ヒスタミン剤はどうなの?
アトピー性皮膚炎の痒みを止める薬といえば代表的なのは、
第一選択は弱いステロイド外用薬です。

これは世界的に共通する治療方法です。

ですが、日本では異常にステロイドを恐れる方が多くて、
病気そのものが悪化しているのをステロイドのせいにして大騒ぎしたりするので、使いにくい薬です。

(たとえば毛虫に刺されてすぐにステロイドを塗ったら、
 毛虫のかぶれが軽く終わって医者としてはOKなのに、

 その子供のお母さんは

 「先生に言われてステロイドを塗ったらひどくなった!
  いやなのに我慢して塗ったのにひどいじゃないですか!
  どうしてくれるんですか!」

 と、ねじ込んできたりします。

 塗らなければもっとひどくなったところがこれで済んだ、

 とは思っていただけないのですね。┐(-。ー;)┌

 「ステロイドは副作用のある恐ろしい薬」

 という概念で洗脳されています。)

ちなみに、市販の痒み止めのほとんどにも
ステロイドは入っているのですが・・・。


ということで医療側も無用なトラブルを避けようとして
いろんな皮膚疾患に対して
第一選択であったとしても、ステロイドを使いたがりません。

わざわざ機能の落ちる薬を使います。変なご時勢です(笑)。


で、ようやく抗ヒスタミン剤です。
花粉症に対しては対症療法としてこれが第一選択ですね。
これに対しては誰も文句言いません。(笑)

抗ヒスタミンがなぜ痒みをとめるかというと、

ヒスタミンはアレルギー症状に伴って局所で放出され、
ヒスタミン受容体に作用して
毛細血管拡張や血管透過性亢進によって、
浮腫、膨疹、掻痒惹起を引き起こすのです。
つまり痒みの原因物質とも言えるわけです

このヒスタミンの作用を抑えるのが
抗ヒスタミン剤というわけですね。

これは風邪のときの鼻水や咳などの症状も抑える効果があり、
総合感冒薬にはよく入っています。


ですが、皆さんご存知だと思うのですが、
この風邪薬に入っている抗ヒスタミン剤、
副作用は眠くなることです。

この成分だけを利用して
「ドリウェル」
という睡眠導入剤が販売されているぐらいです。

また、注射薬は手術前の睡眠導入剤として
「アタラックスP」
なるものがよく使われます。


で、ともかく副作用で眠くなるので
この薬を飲みながらの仕事なんてやってられません。


幸いなことに最近は第2世代が出てきました。
これらでは眠くなる副作用は少ないです。
これは第1世代が脂溶性であるのに対し、
第2世代は脂溶性を低く抑えることができたので
血液脳関門を通過せず、脳に作用しにくいことが理由です。


う〜ん、今回も脱線が長いぞ(^-^;


ま、ともかく、抗ヒスタミン剤はアレルギーの痒みを
抑えてくれるのはまちがいありません。
でも、アトピー性皮膚炎に対してはあんまり効果はないことが多いです。
劇的に効く人もいますが、効かない人もけっこう多いです。
同じ薬理作用のはずなのに、会社や製剤によっても
効き方が違う、これはアトピー性皮膚炎の病態が
多様であるということの裏返しかもしれません。
つまり運がよければ効果的です。

使ってみなければわからない抗ヒスタミン剤。
平均的なことを言うと、投与しないよりはましという程度(^-^;。

こんなこと書くと使ってる方々から非難ごうごうかもしれませんが、
ステロイドに対して体質の問題で使えない人や、
すでに他の病気で内服していてこれ以上使えない、
という人に対する代用薬的に本来は、
アトピー性皮膚炎に対して使われるべき薬だと私は思っています。


なんかアトピー性皮膚炎と関係ないことたくさん書いちゃったな。。。
posted by atopydoc at 15:09 | 日記

アトピー性皮膚炎じゃないけどスキンケア:オイリースキン
アトピー性皮膚炎じゃないけどまたスキンケアについて
今度はオイリースキンです。

オイリースキンは「脂漏」という言葉で表現されますが、
皮脂が多すぎてにきびなどができやすい状態を指します。
以前の日本では若い男性の多くは、オイリースキンでした。
最近はそういう人は減ってきましたね。

脂漏部位は湿疹ができると「脂漏性湿疹」と呼ばれます。
赤ちゃんの顔や首にもよくできるので、
若いお母さんはおろおろして大騒ぎしたりしますが、
お母さん自身もおそらく赤ちゃんのころはそうだったのですよ。

赤ちゃんのこれは清潔を保てれば問題ありません。


中高生や若い成人の場合、これはけっこう深刻な悩みで、
ケアが悪いと大リーガーの松井秀喜さんの肌みたいになるので
(すみません、ひきあいにだして)
オイリースキンに対するケアは大事です。

この場合、大事なのは毎日の洗顔です。
洗顔には、毛包の角化細胞を適度に除去し、
皮膚の汚れや余分な皮脂を除去する働きがあります。

また、脂漏性湿疹の刺激の原因と思われている
遊離脂肪酸を取り除くという大事な役目もあります。


以下にそのポイントをあげます。

1)石鹸は比較的脱脂力があるものを用いる。

 これは普通の石鹸でOKです。
 にきび用石鹸でもいいですけど、
 あまり成分は変わらなかったりします(笑)。

 頭部の脂漏性湿疹の場合は、
 たとえ真菌の感染が(水虫やシラクモ)明らかではなくても、
 抗真菌剤入りシャンプーの使用が効果的です。
 (コラージュフルフルなど)
 かゆみを劇的に押さえてくれます。




2)油分の多い基礎化粧品は避けます。
 
 母親と娘や息子は皮膚の状態が違いますから、
 特に母親は自分が使って調子がいいからと
 脂分を多く含む製品を子供にやみくもに勧めないこと。
 40代以降の肌と10代の肌は別物ですよ。

 ファンデーションの使用はオイリースキンでは禁忌です。

 また、化粧品内の細菌感染にも注意してください。
 これはアトピー性皮膚炎においても同様ですが。

3)にきびはつぶさない

 ゴジラ松井に憧れているならありかもですが、
 (松井くんたびたびごめんね。)
 つぶしていいことは何もありません。


以上、オイリースキンのスキンケアでした。
 



posted by atopydoc at 11:32 | Comment(1) | TrackBack(1) | 日記

アトピー性皮膚炎のスキンケア:ドライスキン
アトピー性皮膚炎のスキンケアについては
前の記事でも書きましたが、アトピー性皮膚炎の皮膚は
皮脂の足りないドライスキンになっている
ことが多いのです。

アトピー性皮膚炎ではありませんが、
皮脂欠乏性湿疹
という診断名も存在します。

これらは共通して皮脂欠乏で皮膚細胞間の隙間が開き、
さらに、結果的には水分が蒸発してしまうことが疾患の原因です。

これによってバリア機能が崩壊するから、
それを水分で補ってあげましょううというのが
アトピー性皮膚炎のスキンケアです。

具体的には以下のようにします。

1)石鹸は脱脂力の弱い石鹸を使用する。

 この点は非常に重要です。
 一般的に液体石鹸は禁忌です。
 なぜなら石鹸を液状に保つ乳化剤は皮膚に残り、
 スキンバリアの破壊を維持することになるからです。

2)タオルは木綿などの自然素材で優しくなでる。

 ナイロンタオルやボディーブラシは
 こすっている分には気持ちがいいし、
 垢もたくさん取れる気がしますが、
 これによってスキンバリアは皮脂ごと削り取られます。
 健常な人であっても毎日はお勧めできません。

3)入浴後の保湿剤塗布

 お風呂上りで身体がまだ潤っているうちに
 保湿剤でその水分を閉じ込めてしまうのです。

 白色ワセリンがもっともおすすめです。




 尿素軟膏は保湿効果はありますが、
 (パスタロンソフト、ウレパール、ケラチナミン)
 スキンバリアそのものにはいささか負担となります。

 ワセリンのべたべた感がどうしてもいやだと思うのであれば
 試してみるといいが、ともかくワセリンが有効です。

4)禁忌行為

 熱々のお絞りタオルとかでごしごし拭いたりするのはNG。
 その場では気持ちいいかもしれないのですが、
 皮脂を溶かしてさらに削り取り、水分も蒸発させる。

 お絞りを使った後でお風呂上り同様の処置をすればOK。


ともかく皮膚を清潔に保ちながら乾燥予防、
これに尽きます。
 
posted by atopydoc at 11:10 | Comment(0) | TrackBack(1) | 日記

アトピー性皮膚炎とスキンケア
アトピー性皮膚炎とスキンケア、特に保湿は切っても切り離せない関係にあります。

スキンバリアの破綻がアトピー性皮膚炎の引き金となりうるので、これを補填してあげるための最良の方法はワセリンを塗ることだけだったりします。

これによって皮膚の保湿が保たれると、崩壊したスキンバリアが回復し、アレルゲンの侵入を防ぐのです。
ですから、軽症のアトピー性皮膚炎ならこれだけで治ります。

ステロイドで症状が軽快したら、中等度のアトピー性皮膚炎患者でもステロイドを徐々に減らしながらワセリンによるスキンケアのみでうまくコントロールできることが多いようです。

これは日常生活においても同様で、心がけひとつでアトピー性皮膚炎をおとなしく閉じ込めることができます。
特に入浴と、入浴後の保湿剤(ワセリン)塗布はアトピー性皮膚炎コントロールの鍵でもあります。



こういった知識を受けて、最近ではアトピー性皮膚炎対策として疾患を持つ子が学校でシャワーを浴びれるようにそういう対策を取り始めた小学校もあります。

なかなか、公費との兼ね合いや差別だという反対の声などいろいろ大変みたいですけれども、子供のQOLアップのためにもぜひ取り組み続けていただきたいと思います。

そういったことができて初めてほんとうに国を挙げてのアレルギー対策というものが進んでいくのです。
posted by atopydoc at 10:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

アトピー性皮膚炎と環境
アトピー性皮膚炎は最も罹患率の高い国では小児の20%程度が既往歴を持つという世界の先進国に共通の重大な問題と言える疾患です。
アトピー性皮膚炎がそんなに多くの子供たちで起こるというのも不思議ですが、もっと不思議なのはそれが自然に治るということです。
成長するとアトピー性皮膚炎が治ってしまうのは、第二次性徴とともに皮脂腺からの脂分の分泌が亢進し、それが皮膚を守ってくれるからだと考えられています。
先進国の子供たちがこれだけ苦しむアトピー性皮膚炎ですが、先進国においても以前は、現代でも発展途上国では非常に少ない病気なのです。
アトピー性皮膚炎はそのように先進国に特別に集中する病気です。それはなぜなんでしょうか?実は先進国の衛生環境が良いことが良くないと言われています。きれい過ぎるのです。
発展途上国と先進国の環境の違いには他の要素も多いでしょう。それでも中国と香港が隣り合っていながら異なるように、先進国の衛生環境というのはアトピー性皮膚炎の発症に強く関わるのです。
ここまで見てきたように、アトピー性皮膚炎は皮膚のきちんとできていない子供のときに起こり易くて、そしてなぜか衛生環境のよい先進国でよく起こります。
さて、並べてしまうとこの二つの現象には何の脈絡もないように見えるのですが、アトピー性皮膚炎の発症にこの二つは何か関係するのでしょうか?
実はこの二つのことはアトピー性皮膚炎の発症に単独にではなく、相互に強いかかわりがあるのです。
繰り返しになりますが、以下の二つのことについて、それらが「皮膚のバリア機能の発達」にどちらも関わっていることを覚えていてください。
清潔な環境が皮膚免疫の発達を妨げるのです。皮膚バリアの弱い小児期には、実は外敵と戦うための免疫ががんばっています。ところが外敵がいないのでアレルゲンと戦ってしまうのです。環境が作り出す病なのです。
成長した子供には皮脂腺の発達で強い皮膚バリアが備わるので、アレルゲンの侵入が防がれるために痒さも感じない、アトピー性皮膚炎が治ったように見えるのです。事実上治っていますが、体質はまだアレルギーを持っていることもあります。
posted by atopydoc at 02:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

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